タイの先生の日「ワイクルー」とは?
ワイクルーとは?
タイには先生を敬って感謝を伝える日があります。それが「ワイクルー」です。
「ワイ」=手を合わせて相手に敬意を示す動き、「クルー」=先生という意味です。
私の働いていた学校でも6月にワイクルーがありました。
ワイクルーの日には、生徒が「マーライ」という花輪を先生に渡して感謝を伝えたり、クラスごとに「パーン」というお皿にお花や食べ物を盛り付けた物を担任の先生に渡したりします。
マーライ
マーライは一見数珠のような形をしています。タイでは、目上の人への送り物やお寺、車の中によく飾られています。一般的にジャスミンの花をつないで作られていますが、他の花を混ぜて作る場合もあります。
ワイクルー当日は、生徒が日頃の感謝を伝えるために先生にこれをワイをしながらひざまずいて渡します。
お花のパーン
「パーン」はマーライと同じくジャスミンの花を発泡スチロールに挿して作るのが一般的です。全て生花で作るので、とても良い香りがします。
最近ではジャスミンの花以外にも、様々なお花でデコレーションしたパーンもあります。伝統的なものよりも、渡す先生をイメージして作るのが主流になっているようです。
食べ物のパーン
パーンの個性を出すために、お花以外の物を使って作る場合もあります。
こちらは、タイ料理のムーガタとチムチュムをイメージして紙粘土で作られたパーンです。
リアリティを出すためなのか、粘土で作るのが難しかったのか、エノキや白菜は本物が使われていました。
個性的なパーン
日本語学科の学生は、花で「先生」という文字のパーン作成していました。
他にも、ペットボトルのラベルから作られたパーンや、新聞紙で作った物など、リサイクルに着目した個性豊かなパーンがありました。お花で作る場合は生徒の出費が増えるため、先生や学校によってはリサイクル製品で作るよう指示する場合もあるそうです。
ワイクルーを通して思ったこと
実際に参加してみて、日本ではこのような先生に感謝を伝える特別な日がないので、タイのこの文化はとても素敵だと思いました。教師の立場からすると、目に見える形で生徒から感謝されるのはとても嬉しいことでした。
私の学校では、生徒がワイクルー前日の授業を受けずにパーンの作成をしていました。生徒曰く、学校からの指示で必ず作らなくてはいけないとのことだったので、純粋に感謝の気持ちから生徒が動いているとも限らないようです。
パーンのコンテストも開催されており、エントリーすると美術の先生によって順位がつけられます。感謝を伝えるものに順位をつけるなんて・・・という気持ちにもなりましたが、感謝する云々より、これが生徒のモチベーションになっているのかもしれません。
また、驚くことに「マーライ」が校門前で売られていました。テスト前に文房具が売れらているのは見かけたことがありましたが、まさかマーライまで!?先生の目の前でお金を払ってお花を買い、そのお花を先生に渡す・・・。日本人教師の私には信じられない不思議な光景でした。